gt0066 「鈴木ぽんちゃん」のライブを聞いて(June 4, 2006)
6月3日(土)人間国宝級のジャズギタリスト鈴木ぽんちゃんトリオのライブを聴いてきました。河原子近くの木琴というレストランです。もう77才になるというギター鈴木康允、これも還暦を過ぎていると思われるベース小林千明、ドラムスはまだ20代の若いディープ小池、+1として年齢不詳のボーカル小沼ちか子です。
当日は夕刻7時少し前に家内setsuと共に木琴に着きました。プロモータのsuzuさんに、来ないかと思ったとご心配をかけたようです。
7時ちょうどにライブが始まりました。少しざわついていることもあり、ギターアンプのボリュームが心なしか高めで、最初は少し違和感を感じました。ぽんちゃんのギターは、アンプを通っているかいないかくらいのボリュームがちょうど良いのです。
我々のテーブルはぽんちゃんの真正面で、とても良く見えます。ぽんちゃんはCDをたったの1枚しか出していないのです。左足でリズムを取りながら、CDと同じようにたんたんとした中にも味わい深い演奏です。プロのミュージシャンからは人間国宝級と尊敬され、あのジムホールも信奉しているという正に稀有のギタリストなのです。
失礼ながら、外見からはこんなに素晴らしいベースをやるとは信じられない、小林千秋さんの司会で進行します。ドラムスも若いのですが、良く鈴木ぽんちゃんに合わせているようで、若干抑え気味の演奏です。
ボーカルの小沼ちか子さんが出てきました。女性としては低音で、なかなか良い雰囲気を持っています。ざわつき気味が気になったのでしょう、出る所に出ればすごい人なのだとぽんちゃんの紹介をします。もう77才なのでいつ聴けなくなってもおかしくなく、今のうちにできるだけ多くぽんちゃんの演奏を体に沁み込ませたいという話は、私も全く同感です。
小沼ちか子さんが使っているアンプは、実は私も持っているアコースティックギター用アンプAER BINGO-Ⅱでした。ボーカル用にも使えるのですね。値段は張っても良いものは良いということでしょうか。
2ndステージも同じように進行します。お店のパーカッションも出てきて、軽快なボサノバの演奏も入ります。後で小沼ちか子さんに聞いたのですが、CDの中の曲も演奏するはずだったのですが、そんな雰囲気ではないので、仕方なく曲目を変更したということです。常連さんのグループはアルコールも回ってきたようで、合いの手も盛んになってきたようです。それも小沼ちか子さんに対してで、仕方ないのですが、どうも鈴木ぽんちゃんがどういう人かを知らないようですね。
ぽんちゃんのCDを持ってきており、演奏終了後サインを貰いました。椅子に座って丁寧に書いてくれました。ギターをイメージした素敵なサインです。このCDはもう販売されていないので、貴重品ですね。ぽんちゃんもどこで手にいれましたか?とびっくりした様子でした。
小沼ちか子さんが、ぽんちゃんトリオをバックにしたCDを作りたいと言っていました。出来たら欲しいですね。
ぽんちゃんの演奏を見ていて、収穫がありました。右手の親指と人差し指ではさんだピックでベースを、右手の中指と薬指(小指も?)で和音を弾くという演奏法です。ボサノバも同じ演奏法でした。私はボサノバのときはピックを使わず、指だけで演奏します。親指と人差指で持っていたピックを、指での演奏に邪魔にならないように素早く人差し指と中指の間に移動するのです。リズムからソロに移るときは逆の動作で素早くピックを持ち替えます。手品と同じような練習が要ります。
それはともかく、次の日6/4(日)のアドリブ練習会で早速やってみました。比較的すんなりとできました。ベース音はピックで弾くので適度なボリュームを出すことができ、バッキングのときにバランスの良い音を出せそうです。この演奏法は今後多用することになりそうです。
書き忘れていました。ぽんちゃんは譜面を全く準備していないのです。ボーカルの次の演奏曲名を言われても分からず、小沼ちか子さんに耳元でハミングして貰うこともありました。しかし直ぐにギターのイントロが始まるのです。
一体どうやって覚えているのでしょう。恐らく、メロディーとコード進行とが一体となっているのだと思います。メロディーが出てくると、頭の中で自然にコードが進行するのだと思います。
正に神業、人間国宝級と言われる所以ですね。私なんかまだまだひよっこですね。
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