sk0009 大工さんとペンキ屋さん(July 12, 2005)
先週末も和風スナック「夢路」にお邪魔しました。まだ早い時間なのに、大工さん、ペンキ屋さん、K工場若手のE.U.君と、あと一人がもう来ていました。ペンキ屋さんは、病気をして何年も酒を飲んでいないということで、私と初めて会ったときもウーロン茶を飲んでいました。
酒を飲まないのであれば飲み屋さんに行かなければ良いのにとは、酒の素人が考えることです。とても優しそうなおじさんで、いつもFママと、生きていて良かったという感じで話をしています。古い曲が好きで、ギターで「月の砂漠」などをやると、しんみりと聞いてくれます。
ペンキ屋さんは最近は少し飲めるようになったとかで、焼酎の水割りをちびちびとやっています。
私が「最近ギターを長時間弾いているせいか、背中がこって・・・」とつぶやくと、ペンキ屋さんが「あ、やってあげますよ、私免許を持っていますから・・・」。「えっ!えっ!」と思いましたが、その日は来ていない社長も良く揉んで貰っているということなので、お言葉に甘えて少し揉んでもらうことにしました。」
カウンターの椅子に座ったままなので少し力が入れずらそうでしたが、さすがにプロですね、なかなか良い感じです。座敷に横になるともっと良いのだが・・・ということでしたが、さすがにそれは遠慮しました。かなり固まっているというのは自分でも分かっているのですが、しばらく揉んで貰って、楽になったような気がします。
30年位前に他界した私の父は職業軍人でしたが、海軍時代に習ったということでやはり指圧の免許を持っていました。終戦後は色々な職業についたのですが、最後は「指圧専門」で、家計を支えていました。何が役に立つか分からないものですね。
ともあれ、お礼の意味もあってギター演奏の始まりです。E.U.君ともう一人は連れ立ってどこかに行ってしまったので、残るのは大工さんとペンキ屋さんだけです。
お店に預けてある赤本(歌謡曲が1000曲位載っている曲集)を出してもらいました。左表紙側から曲の古い順番に配列されてあって、右の裏表紙側が最新の曲です。1980年代の曲集なのですが、私達の世代にとっては右端はいつも最新曲です。ペンキ屋さんのリクエストはほとんど左端の方なので、全く問題ありません。少し若い大工さんのリクエストもせいぜい真中くらいです。
「こんな新しい曲は載ってる訳ないよナ・・・」と言われて探してみると、右端から数ページのところにちゃんと載っていました。新しいと思っていても、20年前・・・そんなもんです。
九ちゃんの「上を向いて歩こう」をやったとき、大工さんは「そんなにるんるんではなく、もっと寂しいイメージがあるのだけど・・・」ですが、ペンキ屋さんは「すきやきソングはそんなもんだよ」です。では、ということで少しゆっくりめに大工さんのイメージに合わせてもう一度弾きました。大工さんは「そうそう」ということでしたが、Fママさんは「弾き分けられるんだ!」と少しびっくりした様子です。
「それは・・・」、言われてみて気がついたのですが、そのページを開けたときに、私はまず最初にどのような曲かをイメージします。初見の楽譜の場合、楽譜に示されている個々の音符の音をまともに出せるかどうかはその瞬間にならないと分らないのですが、イメージを掴んでいると何とかなるものです。
確かに楽器をやったことがない人には、同じ楽譜を違うイメージで演奏するということは、新鮮な驚きだったのかも知れないですね。
ともあれ「夢路」では最長時間のギター演奏で、大工さんもペンキ屋さんも満足のようでした。
ギターをしまおうとしたときに、E.U.君ともう一人がどこに行っていたのか、戻ってきました。「うるさいのが来たからギターもっと弾いて・・・」という大工さんの声を背に、私はおいとまです。
週末だし次は・・・、「Rattan」と「風華」をはしごしたようです。
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