gt0079 ギターってなに?(November 1, 2006)
ギターって何なんだろう?
現在の私のメインは、ジャズのビッグバンドWMOです。カウント・ベイシー楽団のフレディ・グリーンに代表されるように、ビッグバンドのギターは、聞こえるか聞こえないかの音で淡々と4ビートのリズムを刻むのです。
ピアノ、ベース、ドラムス、ギターが一応リズムセクションなのですが、ベースとドラムスは大きな音でバンドを引っ張ります。ピアノはオブリガートなどでバンドとしては重要なパートで、ソロもふんだんに回ってきます。これに比べると、ギターは聞こえても聞こえなくても修道僧のように単調なリズムを刻むだけで、通常ソロの出番が回ってくることはまずありません。
そんなので楽しいの? 楽しくないと言えば嘘になります。単調な4ビートのリズムは実は奥が深いのです。
先日、一年ぶりでハワイアンバンドに誘われて練習に行ってきました。スチールギターとウクレレが新しいメンバーです。ウクレレの方は素晴らしいソロをするのですが、私の伴奏を聴いて、すごいと言っていました。ギターの4ビートのリズムについ乗せられてしまうそうです。
日本産業音楽祭での審査員のたった一言のコメントに一喜一憂、ときにはその一言をクリアするために次の年まで手探りする状態が18年も続いたので、単調な4ビートなのですが何か違うものがあるのかもしれません。
しかしハワイアンはスチールギターがメインであって、ギターは基本的に伴奏です。やはり物足りないのは仕方ないでしょう。
バイオリンとのデュオもやりましたが、ギターは伴奏です。エレキバンドはともかくとして、二人以上の合奏となると、必ずギターは伴奏になるのです。
「伴奏だって大事だよ。面白いよ!」という声が聞こえてくるのは分っています。面白いと思います。しかし、私の内から出てくるものは伴奏だけでは表現しきれないのです。
還暦を迎えた去年から、なりふり構わずソロギターライブに没頭しているのには、このような状況があります。
ヴァイオリニスト川井郁子さんは、デビュー後"与えられたものを弾く"ことへの戸惑いを感じ始め、"自分の音楽"を模索する苦悩の日々が続いたそうです。進むべき方向を見つけ、再デビューしてからは素晴らしい活躍ですね。
レベルや形は全く違いますが、私も同じような状況を感じています。
メロ、伴奏という形ではなく、お互いが最高の持ち味を発揮できるようなデュオなりトリオなりができればなぁ。
「同程度のアレンジなら、ギターよりもピアノの方が上手に聞こえる」とクラシックギタリストの嘆きをネットで見ました。そんなことは考えたこともありません。
やっぱり、ギターはソロが最高なのです!! ギター1本で世界を表現できるのです!!!
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