gt0031 フラメンコギターへのピエゾマイクの仕込み(June 29, 2005)
インターネットオークションで入手したエレクトリックフラメンコギターはピエゾピックアップとコンデンサマイクとが仕込んであり、両者を自由にブレンドできる優れものです。ライブでも使用していますが、これ1本で十分に満足しています。
しかしトラブルはつきものであり、予備としてピックアップマイクが付いたクラシックギターはあるのですが、やはりフラメンコという訳でもう1本あるフラメンコギターにピエゾピックアップマイクを仕込もうと考えました。
ギターのボディ内部にピエゾピックアップを貼り付け、ギターのお尻に小さい穴を開けてジャックを取付ければ完成のはずです。外見ではピックアップマイクが付いていることは分らず、生演奏でも全く問題ないはずです。
日立の映光社に行って、いつもギターのリペアをやってるお兄さんに聞いてみました。ピエゾピックアップには大きく分けて2種類あり、一つは細長い薄い棒状の形状でギターブリッジのサドル(ボディ側の弦を支えている部分)の下にはめ込むタイプ、もう一つは薄い円板形状でボディの内面または外面に貼り付けるタイプです。
前者はリード線を通すためにギターブリッジのサドルの下に1個所と、ジャックを取付けるためにギターボディのお尻部分に1個所の合計2個所穴を開けねばなりません。更に挿入したピエゾの厚み分だけサドルが出っ張り、弦高が高くなります。その分だけサドルを削れば良いのではと思ったのですが、弦の張力が変わって・・・云々とあまりお勧めではないようです。フラメンコギターは弦高が高いのは致命傷です。
後者でも、ジャックを取付けるためにギターボディのお尻部分に穴を開けると強度が弱くなるリスクがあり・・・と脅かされます。ギター本体にリスクがあっては本末転倒ですから、結局後者の貼り付けタイプのピエゾピックアップと、ギターのサウンドホールからリード線を引張り出す無難タイプに決めました。メーカはフィッシャマンで10k\ほどです。
注文して10日ほど経って入荷したとの連絡があり、ギターを持って行ってきました。ピックアップ部分は想像した以上に薄く、テープで押さえるだけで十分に密着しそうです。ギターのサウンドホールから手を突っ込んでブリッジ付近にピックアップマイクを貼り付け、リード線は一旦ジャックで中継した後、サウンドホールから外部に引き出します。
中継ジャックをギター内部のサウンドホール辺りに固定しておけば、外部リードを外せば通常の生ギターです。外部リードを付けるときは弦をかき分けて指を突っ込まねばならないのですが、何とか弦を緩めなくてもできそうです。アンプのトーンコントロールを絞れば音もまずまずで満足して帰ってきました。
自宅でアンプに繋いでやってみたのですが、ボリュームを上げるとブーンというノイズが出ます。あれ?と色々やってみると、ジャック部分を指で触るとノイズが消えます。
インターネットで調べてみると、この手のピックアップマイクはノイズとの戦いであるというような記事が幾つもありました。リード線がアンテナの役目をして空中のノイズを結構拾うようです。金属弦なら指で触っていれば人体を介して接地されてノイズが消えるので問題ないのですが、ナイロン弦なので接地の仕方に工夫が要りそうです。
映光社では全く問題なかったのですが、きっと三線式の電源できっちりとアースがとられているのだと思います。
ところでギターに仕込むピックアップマイクは今回購入したようなバッテリー不要のパッシブタイプと、プリアンプを内蔵したバッテリが必要なアクティブタイプの2種類があります。プリアンプ内蔵タイプでなくても、外部のアンプでどうにでもなると考えていたのですが、バッテリはだてに付いている訳ではないのですね。外部ノイズの影響を防ぐ効果があることを初めて体験した次第です。
そういえばインターネットオークションで入手したピックアップマイク付きのギターは全てバッテリ必要のタイプで、今までノイズを気にしたことはありませんでした。
何事も勉強するには金がかかるということでしょうか・・・。
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