gt0062 二階建コード(March 1, 2006)
ジャズで使われるコード(和音)は複雑で、テンションノートと呼ばれる音を入れて、不協和音とするのが普通です。二階建て(分数表示)コードというのがあり、以前から知ってはいましたが、最近やっとその構造を理解しました。既に知っている方にはつまらない話で、興味の無い方には全く面白くない話なので、この記事は読み飛ばすことをお奨めします。
例えばCメジャーコードの上にDメジャーコードを乗せた、D/Cと表記されるコードがあります。今までは、分子のDメジャーコードにベース音である分母のCを付け加えたものと理解していました。ギターの場合、分母のCは無視して分子のDメジャーのコードを押えれば良いという理解も、間違いではありません。
ところがもっと奥深い理屈があったのです。
分母のCメジャーコードの構成音は(C,E,G,B)です。これを度数で表すと(1,3,5,7)です。もったいぶる気は無いのですが、要するに(ド、ミ、ソ、シ)の音で構成されています。
分子のDメジャーコードを3音で表すと、その構成音は(D,#F,A)です。これをCメジャー(ハ長調の)度数で表すと、(2,#4,6)となります。
ピアノの左手で分母のCメジャーを、右手で分子のDメジャーを押えると、左手は(1,3,5,7)、右手は1オクターブ上げて(9,#11,13)となります。メジャーコードのテンションノートは9,#11,13の三つです。
おお!左手と右手を合わせると、(1,3,5,7,9,#11,13)即ちCメジャーコードのテンションノートを全て含んだC9,#11,13のコードになるのです。
このようなコードは、アッパー・ストラクチャード・トライアドと呼ばれています。
ピアノの場合、テンションノートを含んだ難しいコードを知らなくても、左手で元のコード(例えばC)を押え、右手でその全音上のコード(元のコードがCの場合はD)を押えれば、ジャズ通好みの複雑な不協和音が出せるという訳です。
マイナーコード、例えばDm7の場合、全音下のメジャーコードCを右手で弾くと、左手のDm7コードの(1,b3,5,b7)に右手のCメジャーコードの(b7,9,11)が加わって、Dm9,11のコードになるというからくりです。二階建て表示ではC/Dm7とでもなるのでしょうか。
セブンスコードの場合、メジャーコードと同じ全音上のメジャーコードの他に、色々なトライアドがあるようです。
コードを勉強するにつれ、ジャズはコードに始まってコードに終わるということが何となく理解できるようになってきました。コードを深く理解すれば、アドリブの練習をしなくてもアドリブが上手くなるというのは、本当のような気がします。
コードを深く理解すれば、メロ譜とコードネームだけでギターソロができると思います。
赤本(歌謡曲が1000曲くらい載っている曲集)でできて、ジャズでできない訳はない!!
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