gt0051 MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)を聞いて(November 24, 2005)
11/23(金)水戸の茨城県立県民文化センターでMJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)のコンサートを聞いてきました。私の友人のジャズピアニストのNamaさんが招待券を持っていたのですが、急に出張で行けなくなったということで、譲ってもらったのです。
MJQと言えば、私の中ではビブラフォーンのミルト・ジャクソン、ピアノのジョン・ルイスのクインテットなのですが、最近はマンハッタン・ジャズ・クインテットの方が活躍しているようです。最近といっても結成20年くらいになるそうです。
18:30開演です。勤労感謝の日なのですが、ウイークデイは祝日でも大抵出勤です。17:00に仕事を終え、JR多賀駅発17:19の電車に飛び乗りました。水戸駅に着き、まだ時間に余裕があるのを確認して、卵入り天ぷらそばで腹ごしらえしました。水戸駅ホームの立ち食いそばはおいしいのです。
水戸駅南口に下りたのは10年ぶりくらいでしょうか、立体配置で立派になりましたね。県民文化センターまでは徒歩15分程度です。開演10分前くらいに着きました。招待券と交換した指定席券の席は一番後ろです。舞台が小さく見えますが、聞こえて来る音には全く問題がありません。
いよいよ開演で、大きな拍手に迎えられてメンバーの入場です。チャーネット・モフェット(ベース)、ビクター・ルイス(ドラムス)、アンディ・スニッツァー(テナーサックス)、ルー・ソロフ(トランペット)、そして最後にデビッド・マシューズ(リーダー・編曲・ピアノ)が登場です。
最初はCome Togegher、いきなり超アップテンポの演奏で聴衆の度肝を抜きます。リーダのデビッド・マシューズがゆっくりとながら上手な日本語で挨拶、曲の紹介をします。A Day In The Life、We Can Work It Out(恋を抱きしめよう)、Take Five、I Was Born To Love You、Take The "A" Train(A列車で行こう)と続きます。いずれも超アップテンポで、大半はWMOのコンサートで挑戦したThe Wind Machineよりも更に早いテンポです。
ドラムスはそんなに体を動かしている訳でもないのに、ブラシで次々と絶妙なリズムを作り出します。トランペットとテナーサックスのアドリブソロは信じられないくらい早いフレーズの連続です。ベースはギターでもあんなに早く弾けるものかというソロをウッドでやっています。ピアノだけは技巧をこらすでもなくたんたんとした演奏ですが、少ない音数で微妙な旋律を出しています。
立て続けに超アップテンポの曲を演奏されると、あの人たちにはごく普通のテンポなんだと全く信じられない想いです。
15分の休憩後の第二ステージでは、Blue Bossa、Michelle(ミッシェル)、I Got Rhythm、Autumn Leaves(枯葉)、The Chicken、Caravanと続きました。ミッシェルと枯葉はゆっくり目のテンポでやっと落ち着いて聞けます。他の曲は相変わらず超アップテンポです。
実は、ミッシェルと枯葉以外は演奏が始まるとなぜかうとうとしてしまいました。終わると目が覚めるのです。超絶技巧で、すごい!!とは思うのですが、どうも私の心の中には入って来ないようです。人間離れした演奏で、私の手の届かない頭上はるかの雲の上の演奏のせいなのかも知れません。
もう一つのMJQのミルト・ジャクソンのビブラフォーンの響きの方がどうも私の琴線を打つようです。
アドリブソロの部分はともかく、イントロ、テーマ、エンディングがきっちりとアレンジされているのは感心しました。各人が超絶技巧を持っているプロだとはいえ、合わせるところはきっちりと合わせるように練習しているのですね。アレンジがすごく良く、その部分だけでも唸ります。
デビット・マシューズは結局最後まで日本語でしゃべりました。世界の超一流ミュージシャンが日本語を話すとはすごいですね。実は、MJQが有名なのは日本だけなのではないのでしょうか。ボージョレヌーボーの解禁を騒いでいるのが産地のボージョレ地方と、パリ、それに日本だけのように。選曲も日本人好みの有名な曲を並べてあり、彼らにとっては最大のお得意様である日本の言葉の勉強をしているだけでは・・・と、すこしうがった感じも持ちました。
ニューヨークの近くに住んでいる娘夫婦の意見も聞きたいところです。
帰りは電車なので、アンコール曲を待たず、県民文化センターを後にしました。水戸駅のキオスクで缶チューハイを買い、電車を待つ間ほっと一息です。
さっきの演奏はとても人間にできる技ではなく、夢の中のできごとに違いありません。
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