gt0023 成人祝いのギター演奏のプレゼント(May 25, 2005)
私がまだ若いころです。会社の定時後にアメリカ人講師を会社に招いて英会話の勉強会をしていました。その講師は日立銀座の近くで英会話教室を開いていたのですが、ある日その英会話教室に通っている会社の方から、講師がギターを弾ける人を探しているという連絡が入りました。
英会話教室に通っている女性が20才の成人を迎え、そのお祝いのパーティーがあるのでギターを弾いて欲しいということでした。知らない仲でもないので、気軽にはい良いですよと引き受けることにしました。
お祝いのパーティー当日、早めに日立銀座近くの英会話教室に行き、ウォーミングアップ方々、どの曲が良いかと試し弾きをしました。その講師の好みで選曲が終わり、そろそろ行きましょうかということになりました。
英会話教室の近くということで歩いて行ったお祝いのパーティー会場は、今ではどこだったか良く覚えていないのですが、旅館か料亭のようなところでした。
「ここです」ということで中に入ろうとすると、その講師は英文の手紙を私に渡し、「ではよろしくね」です。
「え、エ、えっ!!??」、やっと状況が飲み込めました。その講師は花束を届けるのと同じ感覚で、ギター演奏をプレゼントしようとしたのです。
初めての経験でかなりとまどいましたが、ここは腹をくくるしかありません。料亭の中に入って目的の女性を呼びだして手紙を渡し、その女性が手紙を読んでいる間にギターの準備です。
その女性もまさかということでびっくりしたようです。通された部屋は畳の座敷でご両親、ご兄弟らしい方達がおり、家族でのお祝いの会のようでした。あたふたとギターを弾く私のスペースを作っています。確かに英語で言えばpartyかもしれませんが、日本語のパーティーという感じではなく、私が抱いていたイメージとは全く違います。
私はメッセンジャーボーイですからと挨拶もそこそこに、冷や汗をかきながら講師ご指定のフラメンコを3曲ほど演奏しました。皆さんも突然のことでかなりびっくりしていましたが、演奏には満足していただいたようです。
終わったあとお父さんから名刺を貰いましたが、呉服店を経営されているようでした。裕福な家庭のお嬢さんだったのですね。
しかしアメリカ人って味なことをやるな、としばらくは唸りっぱなしでした。こんなどきどき経験はその後はありません。ふっと想いだしたので、これは記録に残しておかねばと考えた次第です。
今でも意中の人を射止めるのにこういう手が十分に使える訳で、婚期が遅い若者にそのアメリカ人講師の爪の垢の1/1000でも煎じて飲ませたいですね。
日本人にはできないか・・・・・。
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