bg0093 生徒と弟子の違い(September 29, 2011)
あるアマチュアのクラシックギターを弾く人がHPを開いているのですが、その方がさる高名な先生の弟子を名乗っています。幾つか演奏をupしているのですが、その先生の弟子と名乗るにはほど遠い演奏技術で、先生の名誉を傷つけていると教え子たちからひんしゅくを買っています。他人ごとながら、弟子ではなく生徒ということにすれば問題ないと思うのですが・・・。
ウィキペディアの「師弟」に師匠と弟子の関係が詳しく示されています。
私なりに生徒と弟子の違いについて、その方が兄弟子と称している方の経歴を参考にちょっと整理してみました。ひとつの典型的な例ということで。
■先生は生徒が選ぶ:
さてギターでもやってみようか・・・。どのギター教室を選ぶかは、生徒の自由です。どこかの楽器店のギター教室に入ったということは、生徒になったということですね。先生は生徒を選べません。月謝を貰うので、先生にとって生徒はお客さんでもあります。10の教えで生徒はせいぜい2を知るのがやっと。生徒が上手くなろうがなるまいが、生徒側の意欲や素質の問題であって、先生には関係ありません。
■弟子候補は先生が選ぶ:
プロになりたいと先生に訴え、じゃあ自宅のレッスンにおいでと先生に言われ、通い始めたとすると弟子見習いというところか。先生の自宅は教室ではなく、稽古場です。レッスン料を取るかどうかは二人の関係によるのではと思われます。
■厳しい修行時代:
先生(師匠)の自宅に住み込んで本格的な指導を受けるくらいになれば、まぁ(内)弟子と言っても良いかもしれませんね。弟子にとっては、芸事の世界に身を置く厳しい修行時代です。師匠は弟子から稽古料を取りません。逆に小遣いをあげたりします。師匠は弟子の言動の全てに責任を持ちますから厳しい指導は当たり前ですが、手取り足取りで教えたりはしません。2の教えで弟子は10を悟らねばなりません。
■本当の師匠・弟子とは:
厳しい修行を乗り越えて技量・人格ともに師匠に認められ、「教えても良い」とのお墨付きを得て師匠の代理をまかせられるようになると(いわゆる師範代)、名実ともに師匠・弟子の関係ですね。弟子は師匠の後継者であり、一人前のギタリストとして必然的にプロの道を進むことになります。
弟子かどうかは先生(師匠)が決めることであって、生徒や門下生にとって弟子と認めてもらえることは名誉なことなのだと思います。弟子と称するからには、必然的に技量と人格を常に磨く努力をしなければ師匠の顔を汚すことになります。
趣味の世界、アマチュアの世界に師匠・弟子の関係は存在しえないようで、弟子などとは軽々しく使う日本語ではないのですね。上記の過程を経てプロになった方を、同じ先生に習ったというだけでアマチュアが兄弟子と呼ぶのが如何に滑稽なことか・・・。その上、その方は自分の技量が優れているとどうも錯覚しているようで、言動は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の逆を行っているようです。
アマチュアの自分の領域に留まっていれば何を言っても誰も何も文句をつけません。プロの先生の実名を出してその弟子だと称して周りを引き込んだ以上は、自称にしろ「弟子」としての重い責任がのしかかってくるということを自覚して欲しいのですけどね・・・・。
他人の悪口を言うのは本位ではないのですが、自分への戒めを込めて・・・。
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