bg0069 「元死刑囚」？？(March 12, 2009)
最近、新聞・テレビ等のマスコミで金賢姫「元死刑囚」に関する話題が頻繁に出ています。それにしても判を押したような「元死刑囚」という言葉を連日聞かされると、他に言い方はないのかと、すごく違和感を感じます。
マスコミでは、死刑確定者を「死刑囚」と呼んでいますが、既に執行された場合や、獄中で死亡した場合、もしくは再審による無罪確定等で死刑が取消になった場合は「元死刑囚」と呼んでいるようです。え～！無罪が確定しても「元死刑囚」だって？？？恩赦や特赦で死刑が取消しになっても、これでは当然「元死刑囚」ですね。
別に犯罪者扱いしている訳ではないと言い訳したところで、大部分の人はこの言葉にマイナスのイメージを持ってしまいます。
懲役刑に服役してきた人は「元懲役囚？」こんな言い方は聞いたことありませんね。人権問題に発展するでしょう。では執行猶予付きの懲役刑を受けた人は・・・？
元社長、元国会議員、元公務員、元会社員・・・、こういう言い方は肩書き好きの日本人ならではのご愛嬌ですが、「現」は何じゃ？とちゃちを入れたくなります。「現年金受給者」や「現年金生活者」「現無職」ではさまにならないか・・・。「元ホステス」「元愛人」・・・、自分に関係ないからといって、何でも「元」をつければ良いってもんでもないでしょう。
憤慨していたところ、昨日のテレビのニュースで、金賢姫「元工作員」という字幕を見つけました。テレビ局のディレクターか誰かにへそ曲がりの人が居て、マスコミ界の取り決めに反発したのでしょうか。これこれ、と心の中で拍手してしまいました。いつまでも「元工作員」でもあるまいにとは思いますが、「元死刑囚」よりははるかにましです。別の筋からいちゃもんがつく可能性は十分にありますが。
一つのテレビのニュース番組の中で、「○○○元死刑囚」を何度聞かされることか。もううんざりですよ。「○○○」と呼び捨てにしたり「○○○さん」とは何となく言えなくて、つい便利(？)な「○○○元死刑囚」という言い方に逃げているとしか思えません。
「元死刑囚だった○○○さん・・・」と最初に一度言えば済むことです。
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