gt0269 音のぶつかりと相乗効果について(September 17, 2013)
ジャズのソロ演奏は究極の難しさがあり、デュオ、トリオ、カルテット・・・と人数が増えるにつれ、個々の楽器の負担は減っていき、余裕をもって演奏できるようになります。相乗効果が発揮されると幸せな気分になれるのですが、往々にして楽器同士の音がぶつかってにごったアンサンブルとなります。
少人数の編成で最もポピュラーなのはピアノ+ベース+ドラムスのピアノトリオでしょう。kei爺爺も大好きで、車の中で良く聴いています。中にはソロやデュオのときと同じように、左手でベース音をビンビン響かせるピアニストも居るそうですが・・・。
さて、ピアノトリオにギターも含めた他の楽器が加わると・・・ピアニストがトリオのときと同じように弾きまくると台無しですが・・・ピアニストが気を使って演奏してくれるとしても、ギターとして気をつけることはピアノの邪魔をしないことです。
瞬間々々で違うと思いますが、色々な弾き方があるようです。
1.弾かないこと:これが難しい・・・弾かないということは究極の上級演奏技術です。
2.オブリガート、いわゆるおかずを入れる:他の人の演奏を良く聴いて、隙間に音を入れる。これが通常の演奏法かなと思います。
3.リズムに徹する:コード感を出すとピアノのバッキングとぶつかるので、短くザッザッと・・・ベースとドラムスの邪魔をしないように。
まぁ普段は控えめに、アドリブソロの順番が回ってきたら思いっきり鬱憤をはらして・・・というところでしょうか。
ピアノとギターは音域も音色も演奏内容も似ているので、デュオで演奏されることは通常はありません。ビル・エバンス(p)とジム・ホール(g)の"UNDERCURRENT"は極めて稀な例外です。あの人間国宝級ジャズ・ギタリストのポンチャンは東京を引き揚げて茨城に来てからは決してピアノと一緒に演奏しなかったそうです。
とは言っても、ジャズをやっている限られた世界なので、ボーカルを含めて色々な楽器の組み合わせで演奏する機会があります。お互いに阿吽の呼吸で幸せを感じる演奏をしたいものですね。
前の記事へ
ギタートツプに戻る
次の記事へ