gt0171 ジャズギターとリズムギター(May 26, 2009)
フレディー・グリーン・スタイルの「Swing & Big Band Guitar」という教則本を入手してから、ジャズギターとリズムギターについて、思いを巡らせています。広義にはどちらもジャズギターなのですが、ここではソロやハーモニー主体のギターとその演奏法をジャズギター、ビッグ・バンドのギターのように4ビートのリズムを刻むギターとその演奏法をリズムギターと称することにしました。
ジャズギターではテンションノートを含むコードを使い、時にはソロを、時にはコードバッキングをと、ジャズ志向のギタリストには憧れの演奏法です。恐らくほとんど全てのジャズギタリストが、ビッグバンドに在籍していたとしても、この方向を目指しているでしょう。ジャズギターを演奏するには極めて高度な知識と技術が必要で、その分練習のしがいがあります。多くの音を使うコードの押さえ方は、そのままソロ演奏にも適用できるものです。難しいコードの構成音を理解することで、自然にソロ演奏の幅が広がってきます。
楽器はフルアコが理想ですが、セミアコのギタリストも多いですね。音作りさえ間違えなければ、ソリッドのエレキギターでも許されるでしょう。0.012~位の太めのフラット・ワウンド弦が良いとされています。弦高は弾き易いように、できるだけ低い方が良いようです。アンプでかせげば良いので、生音の音量は大きい必要はありません。アンプは勿論クリーントーンで、イフェクター類は使いません。
一方リズムギターは、前の記事に書いたように、コードはテンションノートを使わない3音が基本になります。常にベースと一緒にリズムを刻むことを考えると、2音でも十分ですね。3、4、6弦を押さえるコードフォームは音がとびとびであり、ソロはおろかコードアルペジオに適用することすら困難です。とにかくソロのことは考えず、4ビートのリズムを淡々と刻むことに徹するのがリズムギターなのですね。
フレディ・グリーンのように生ギターとまではいかずアンプで少し増幅するとしても、ギターは勿論フルアコに限ります。セミアコではやっぱり音がエレキっぽくなってしまいます。ソリッドのエレキなどもってのほかです。弦は0.012~かもっと太い、ラウンド・ワウンドが良いとされています。弦高は生音の音量をかせげるよう、あまり低くしない方が良いようです。
こうやって比べてみると、ジャズギターとリズムギターは全くの対極にありますね。もう別の楽器と言って良いでしょう。別の楽器ですから、リズムギターではジャズギターは恐らくできません。ビッグ・バンドのリズムギターが育たない大きな理由だと思います。一方、ジャズギターではリズムギターの真似ごとはできるでしょう。
私の場合も、フルアコでビッグバンドに参加していますが、やっぱり真似ごとのリズムギターに過ぎないようです。ソリッドギターを平気で弾いているアマチュアのビッグバンドは多く、何を考えているんだか・・・と思っていましたが、所詮真似ごとに過ぎないとすれば50歩100歩であり、他人のことはとやかく言えませんね。(願わくばフルアコにして欲しいと思ってはいますが・・・・。真似ごととは言えど、カウント・ベイシーを演奏するなら、やっぱりベースはウッド、ギターはフルアコでしょう・・・。)
長い間(何十年も)4ビートのきざみを模索してきましたが、やっと全貌が見えてきました。楽器が違うフレディー・グリーンの音を出すのは不可能ですが、要はジャズギターでいかにリズムギターっぽく刻めるかということですね。
理解できたところで、フレディ・keiが誕生するかどうか???
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