gt0170 ビッグ・バンド・ギター(May 25, 2009)
ビッグバンドのギターは4ビートのリズムが全てで、カウント・ベイシー楽団のフレディー・グリーンが最高とされています。4ビートの刻みは簡単なようで極めて難しく、アマチュア・バンドでこれはというギターの刻みを聞いたことがありません。私も40年以上もアマチュア・ビッグバンドのギターをやっていますが、奥が深くまだまだです。
つい先日、あるHPの情報でフレディー・グリーン・スタイルの「Swing & Big Band Guitar」という英文の教則本を手に入れました。今までにこの分野の教則本を見たことがありません。要所を拾い読みしたところ、正に目から鱗状態になってしまいました。断片的には知っていることも多いのですが、整然とした記述は説得力があります。少しは役にたつかもと、基本的なポイントを羅列してみます。
(1)テンションノートは他の楽器の音とかぶるので省略する。
(2)コードは3音が基本、たまに4音。2音で十分なこともある。
(3)3、4、6弦を使う。1弦は使わない。2弦または5弦はたまに使う。
(4)リズムギターであって、ハーモニーギターではない。
ジャズをやっていると、色々なテンションノートを含んだ難しいコードを弾きたいものです。ジャズを志向するギタリストは、ほぼ例外なくそのようなコードの勉強や、ソロの練習をしていると思います。「リズムギターであって・・・」は正に痛いところを突いています。逆のようですが、バンドの人数が多いほど音数を少なくしなければならないようです。ピアノなどの鍵盤楽器が居るかどうかでも変わると思いますが、ギタリストとしては心すべき事項と思います。
フレディー・グリーンのギターは勿論フルアコですがボディは大きく、0.014~くらいのぶっとい弦が張ってあり、しかも弦高は弦とネックの間に指が入るくらい高いそうですよ。ブラスセクションに負けないよう、このような生ギターで力強いリズムを刻んでいるのですね。
通常のジャズギターは、ロックなどと比べると太い弦、それでも0.012~くらいで、弦高は極力低くというのが常識です。
フレディー・グリーンは決してソロをとらなかったようですが、弾こうとしても弾けないのが実情だったのではないでしょうか。こんな常識外れのギターで単音のソロをすらすらと弾ける人が居るとは思えません。
同じジャズでもハーモニーやソロ主体のギターと、リズムギターは多くの点で対極にあるようです。通常のジャズギターでは、とてもフレディー・グリーンの音は出せないと、ある程度納得しました。しかし、フレディー・グリーン風のリズムは通常のジャズギターでもできるのではと思います。しかし、このようなリズムギターの練習をしたところで、ソロの役に立つとは思えません。ビッグバンドのリズムギターが育たない所以でしょうか。
分からなくてやらないのと、知っててあえてやらない(できない)のは大きな違いだと思いますので、しばらくはフレディー・グリーン風のコードとリズムの刻みを研究してみたいと思います。
音数は少なくても、ベースとのバランスで絶妙のリズムを刻めるよう・・・。
前の記事へ
ギタートツプに戻る
次の記事へ