gt0107 音がない空白部分(July 21, 2007)
ジャズ・ピアニストの奇才、セロニアス・モンクが作曲したBlue MonkというBbブルースの曲があります。あの「名曲を制覇!ジャズ・ギター徹底講義」で最初に取り上げられています。
この間の休日は台風でどこにも行けず、さてギターの練習でもと、この教則本を眺め、Blue Monkの模範演奏の楽譜を弾き始めました。
最初はできませんが、何度も何度も繰り返すうちに、おやできてきましたよ。
この教則本の記事の中で、若手プロギタリストが先生から「1000回練習して1000回成功するまで練習しなさい」と言われたというのがありました。10回や20回では数に入らないのですが、いや本当にできてきましたよ。完全に覚えるのにはまだまだですが。
実は1曲のアドリブソロのコピーを丸ごと覚えるつもりはありません。レパートリーが1曲増えるだけで、しかも丸ごと覚えたものは、よっぽど練習を繰り返さないとそのうちに忘れてしまいます。
ジャズで最も多いのはⅡm7 - Ⅴ7 - Ⅰのコード進行なのですが、まずはこのコード進行のカッコ良いフレーズの練習です。
やはり自分だけでコードアルペジオやスケールの練習をしただけでは、絶対に出てこないフレーズばかりです。通常の曲は4小節単位でできているのですが、アドリブのフレーズは1小節または2小節単位です。4小節目の途中から始まって5小節目の途中で終わるようなフレーズは、曲の流れとしてのリズムを掴むのが難しいのですが、その分カッコ良いですね。
小節の最後の八分音符の音がその小節のコードに合っていない部分があります。次の小節の頭は2拍休みです。良く見てみると、前の小節の最後の八分音符の音は次の小節のコードの音なのです。
何と、シンコペーションなのですね。次の小節の頭2拍が休符の意味が分かりました。音がない空白部分なのですが、実は直前の小節の最後の八分音符の音が余韻として聞く人の心に残り、次の小節の空白部分もコードとリズムを感じるのですね。感じ方は聞く人によって様々でしょうが。
絵画でも書道でも空白部分というのはすごく大事だと思いますが、何も無い空白部分を作るというのは、そこを埋めるよりも遥かに難しく、芸術的なのだと実感です。
テクニックばりばりの超早弾きには何とも感じませんが、程よい空間にはしびれますね。
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