gt0009 ギターの足台(December 15, 2004)
Gibsonのジャズギターを弾くときは、ギターにショルダーストラップが付いているので、立っても椅子に座っても演奏に問題はありません。
ところがガットギターはショルダーストラップをつけないのが普通で、椅子に座って弾くのが標準です。私が今まで知っていた椅子に座ってガットギターを弾くスタイルは、次の3通りです。
- (1)ギター胴のくびれ部分を右足のふとももに乗せる。
- (2)左足を適当な高さの足台に乗せてひざを高くし、ギター胴のくびれ部分を左足のふとももに乗せる。
- (3)ギター胴の一番太い部分を右足のふとももに乗せる。
スタイル(1)はフォークギターを弾く人や、エレキギター出身者に多いようです。スタイル(2)はクラシックギター奏者の標準スタイルです。スタイル(3)はフラメンコやラテン音楽のギタリストに多いスタイルですが、ギターの支持法がかなり難しいと思います。腰が痛くてスタイル(2)ができない人のために、ギターを支える特別の支持具を用い、結果的にスタイル(3)で演奏する人も居るようです。
音楽のジャンルではなく演奏者の好みのようですが、私はスタイル(2)が一番弾きやすい形です。たまに立ってガットギターを演奏することがあり、首かけ式のストラップを使うこともありますが、基本はスタイル(2)です。ところがスタイル(2)の場合は足台を持ち運ぶ必要があるわけで、荷物と準備の手間が増えてしまいます。
水戸の喫茶店でハワイアンバンドの合間にフラメンコギターを演奏したときに、ダンス教室の先生に、知り合いのフラメンコ・ダンス教室のギタリストとしてどうかという話がありました。一応お断りしましたが、フラメンコのソロ演奏のみでなく、ダンスの伴奏も勉強してみたいと思いました。
そこでインターネットでフラメンコギターのことを調べると、私の知らないことが色々と分かってきました。そのうちの一つが演奏スタイルです。フラメンコギタリストもその人の好みで色々なスタイルで演奏するということです。クラシックギター出身者はスタイル(2)が多いそうです。私が初めて知ったのが、次の2通りのスタイルです。
- (4)右足を適当な高さの足台に乗せてひざを高くし、ギター胴のくびれ部分を右足のふとももに乗せる。
- (5)右足を左足の上に乗せて組み、右足のふとももにギター胴のくびれ部分を乗せる。
スタイル(4)はスタイル(2)の左足を右足に代えたものですが、フォークギター出身者などに結構多いということです。このスタイルは見た目の格好が悪いということで、嫌う人も居るという記述も目にしました。
少し目からうろこ状態が、スタイル(5)です。昔からフォークなどでこういうスタイルはありましたが、あくまで簡易的なもので正式スタイルではないと思っていました。フラメンコギタリストでは現在最も有名なパコ・デ・ルシア(知らなかった!)の演奏スタイルで、これを真似て現在のフラメンコギタリストの標準はこのスタイル(5)のようです。
これなら足台が要らない!!早速スタイル(5)を採用して、出先でガットギターを弾くときは最近はもっぱらこのスタイルにしています。譜面の中で左手の人差し指と小指を大きく開かねばならない場面のときはスタイル(2)よりも弾きづらいのですが、今は足台を準備しなくても良い便利さの方が勝っています。今まで使っていたスチール製の安い足台の代わりとして購入したばかりの、木製で値段が少し高い足台は、結局使わないことになりそうです。
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