gt0055 爪の補強(December 26, 2005)
クラシックギターや、指で演奏するアコースティックギターなどは、指の爪が重要です。
弦を押さえる左手指の爪は短く切っておくのですが、右手指の爪はある程度伸ばしておかないと弾き難く、良い音も出ません。ところが伸ばしすぎると、何かの拍子に爪を傷つけたり折ったりします。私は以前、ホッチキスの針を右手人差し指の爪で引っ掛けて外していましたが、ギタリストにとってこれは厳禁です。一見何でもなくても爪に歪みが生じており、割れる原因です。一度割れてしまうと、元に戻るのに長い日数を必要とします。
爪が弱い人は、ギターを弾いているうちに爪が割れたりします。これは昔からギタリストの悩みだったらしく、色々な爪の補強法が考えられています。付け爪や、爪補強セットなども市販されていますが、最もオーソドックスなのは、瞬間接着剤を使う方法です。
爪がまだ割れていない場合、瞬間接着剤を爪に塗るだけです。10分ほどで乾きます。重ね塗りすれば更に強くすることができるというわけです。爪を駆使するフラメンコギタリストにとって、瞬間接着剤は必需品のようです。
絹布を補強材として使う爪補修セットが市販されています。絹布を小さく切って爪の上に乗せ、瞬間接着剤をたらして10分ほどすると絹布が固まって補強材になるという訳です。割れた爪も簡単に修復できます。あとはサンドペーパーなどで磨いて滑らかにすれば完成です。
傑作なのは、絹布の代わりにティッシュペーパーを使う方法です。ティッシュペーパーを細く切って割れた爪の先端に置き、瞬間接着剤を垂らせば、10分後には絹布と同様の効果です。まさか紙のティッシュペーパーが爪の補強材になるとは、正に目から鱗ですね。この方法で随分と助けられました。瞬間接着剤を吸い込んだティッシュペーパーは透明になり、乾燥後も目立ちません。サンドペーパーで磨けば、まさかティッシュペーパーが爪の先端についているとは、誰も分りません。
本場スペインのフラメンコギタリストは、欠けた爪を捨てずにマッチ箱などにいれて持ち歩いているようです。万一の補強材には、自分の爪が一番ということでしょうか。足の爪を切らずに長く伸ばしている人が居ると聞きました。手指の爪が欠けたときに、足指の爪を切って補強材にするためです。本当なら面白いですね。イヤ、非常に合理的ですね。
足指の爪を伸ばすときは、一々理由を説明しなくても良いように、きれいに手入れしておかねばならないようです。
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